家づくりは人生の中でも大きなイベントのひとつです。
多くの方がまず考えるのは「建築費」。
ですが、現場で何度も見てきたのは――
建築費は予算内。でも総額はオーバー。
というケースです。
建築費だけで予算を組んでしまうと、
「あれもやりたかったな…」
「ここを削るしかないかも…」
と、後から計画を見直すことになります。
そうならないために。
今回は、建築費以外にかかる費用を整理して解説します。
1.諸費用
建物そのものとは別に、必ずかかる費用があります。
登記費用
家や土地を購入した際に建物の詳細や、所有していることを正式に登録する手続きです。
主に以下の種類があります。
- 建物表題登記(建物表示登記):建物の詳細を登録する(新築の場合)
- 所有権保存登記:所有者であることを登録する(新築の場合)
- 所有権移転登記:土地や中古住宅の所有権を移す場合
- 抵当権設定登記:住宅ローンを借りる場合
- 建物減失登記:建物を解体する場合
土地家屋調査士や司法書士に依頼するのが一般的で、
物件価格や地域によって費用は異なります。
費用の目安は、記事下の「家づくりにかかる費用まとめ」で一覧にしています。
火災保険・地震保険
火災や自然災害に備えるための保険です。
住宅ローンを利用する場合、火災保険はほぼ必須になります。
建物の構造や立地条件によって金額が変わります。
印紙代
住宅ローン契約や工事請負契約書に必要な印紙代です。
契約金額によって異なりますが、数万円程度になることが多いです。
2.造成費(土地に関する工事費)
家を建てる土地に対して行う工事の費用です。
地盤調査・地盤改良工事費
地盤調査
建物を建てる場所の地盤が安全かどうかを調べます。
地盤改良工事
地盤が弱いと判断された場合、建物を安全に建てるために補強工事を行います。
主な工法には、
- 表層改良工事
- 小口径鋼管工事(アルファフォーススパイル工法など)
- 柱状改良工事
- 既製コンクリートパイル工事
などがあります。
工事内容によっては、
数十万円〜数百万円かかることもあります。

現場では、
「そんなにかかるとは思っていなかった」
という声を聞くことも少なくありません。
だからこそ、
“可能性のある費用”として最初から考えておくことが大切です。
インフラ引き込み工事費
水道・電気・ガスを敷地内に引き込むための工事です。
土地によっては整備済みの場合もありますが、
引き込み前であれば費用が発生します。

基本的には、
「かかるもの」と思っておいた方が後で慌てません。
水道
水道には、
- 上水(生活用水)
- 下水(排水)
の2種類があります。どちらも家には必要です。
引き込み工事は「分水工事(取り出し工事)」と呼ばれ、
道路に埋設された管から敷地内に枝分かれさせる工事です。
費用に影響するのは、
- 管が道路のどちら側にあるか
- 埋設の深さ
道路を掘る範囲が増えるほど、費用は上がります。
電気
敷地以外の土地を自由に経由することはできません。
電柱の位置や電線の高さによっては、
敷地内にポールを立てる必要があり、追加費用が発生します。
ガス
都市ガスとLPガス(プロパン)の2種類があります。
地域によっては都市ガスが使えない場合もあるため、
事前確認が必要です。
3.外構工事費

建物が完成しても、
外回りが整っていなければ生活は不便です。
主な内容は、
- 駐車場工事
- 庭・造園
- フェンスや塀
- アプローチ(玄関までの通路)
規模によりますが、
50万〜100万円以上かかることもあります。
建物本体価格に含まれていないことが多いため、注意が必要です。
4.その他付帯費用
建築費には含まれないことが多く、生活に必要な設備や工事費用です。
これらも事前に予算を組んでおく必要があります。
エアコン・照明器具の設置費

建物の引き渡し後、快適に暮らすためにはエアコンや照明器具の取り付けが必要です。
- エアコン:数や性能によって費用が変動しますが、1台あたり10~20万円が一般的です。複数台設置する場合はさらに高くなります。
- 照明器具:デザインや明るさを選び、各部屋に必要になります。全体で数十万円になることもあります。
カーテンやブラインド
窓にはカーテンやブラインドが必要になります。 リビングや寝室などの窓が多い場合は、合計で10万円~20万円程度がかかることがあります。
インターネットやテレビの配線工事
新築住宅ではインターネット回線やアンテナ工事が必要です。これらの費用は地域や回線業者によりますが、数万円~10万円程度が一般的です。
5.家具・家電購入費用
新居に合わせて買い替えるケースが多い項目です。
家具:30万〜100万円以上
家電:20万〜100万円以上
新築のタイミングで一気に購入すると、
想像以上に出費が重なることがあります。
優先順位を決めることが大切です。
6.メンテナンス費用(将来的な修繕費)

新築後しばらくは不要でも、
10年、20年と経てば修繕が必要になります。
外壁・屋根のメンテナンス
10〜15年後に塗装が必要になることが多く、
100万〜200万円程度かかる場合があります。
雨漏りや劣化を防ぐための重要なメンテナンスとなります。
設備の交換・修理
給湯器や水回りの設備(キッチン、トイレ、浴室など)は10~20年で交換が必要になることがあります。
給湯器の種類によりますが、交換費用は約15万円~30万円程度が目安です。
定期点検
ハウスメーカーや工務店による定期点検が行われます。点検等で必要な修繕箇所が見つかれば追加で工事が必要になる可能性もでてきます。
おわりに
家づくりで大切なのは、
- 今かかる費用
- 引き渡し後すぐに必要な費用
- 将来かかる費用
この3つを分けて考えることです。
建築費だけで判断しないこと。
これだけで、後悔はかなり減ります。
理想の家づくりは、
総額を知ることから始まります。

家づくりにかかる費用まとめ
| 料金項目 | 主な内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 諸費用 | 登記費用、火災保険、印紙代など | 50万円~150万円 |
| 造成費 | 地盤改良工事、インフラ引き込み工事 | 数十万円~数百万円 |
| 外構工事費 | 庭、駐車場、塀など | 50万円~200万円以上 |
| その他付帯費用 | エアコン、照明、カーテンなど | 50万円~150万円 |
| 家具・家電購入費用 | ソファ、家電など | 50万円~200万円以上 |
| メンテナンス費用 | 外壁塗装、設備修理 | 数十万円~200万円以上 |
これらを最初から想定しておくだけで、後悔はぐっと減ります。
家づくりは、“知らなかった”が積み重なると不安になります。
だからこそ、今のうちに知っておくことが大切です。
不安を減らしながら、納得できる家づくりを進めていきましょう。
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